知っておきたいアルコールのリスクと、少しでも健康的な飲み方
「どんな量のアルコール摂取もがんのリスクを高める」
2025年に発表されたアメリカ公衆衛生長官諮問勧告は、衝撃的な事実を告げました。お酒は百薬の長、という言葉がありますが、現代においては必ずしもそうとは言えないようです。しかし、お酒好きな人にとって、この勧告は受け入れがたいものかもしれません。
そこで今回は、
- アルコールが体に及ぼす影響
- 少しでも健康に配慮した飲み方
- 比較的「マシ」なお酒と、避けるべきお酒
について掘り下げて解説します。
アルコールとがんのリスク:知っておくべきこと
アルコールが分解される際、アセトアルデヒドという発がん性物質が生成されます。アセトアルデヒドは、少なくとも7種類のがんの発症に関与しているとされています。つまり、どんな種類のお酒であれ、アルコールを摂取する以上、発がん性物質にさらされるリスクは避けられないのです。
健康を損なわない飲み方:7つのポイント
それでもお酒を飲みたいという方は、以下の点を意識して、少しでもリスクを軽減しましょう。
- アルコール度数(ABV)をチェック: アルコール度数が高いお酒ほど、体内で生成されるアセトアルデヒドの量も多くなります。
- 1回の飲酒量を把握: バーやレストランでは、提供される量が「1杯」の基準を超えている場合も。自宅で飲む際も、グラスの大きさを意識し、飲みすぎを防ぎましょう。
- 低カロリーのお酒を選ぶ: 太りすぎは、がんや心臓病などのリスクを高めます。ライトビールやワインなど、カロリーの低いお酒を選ぶのがおすすめです。
- 飲む量を減らす: 1日に飲む量を制限するだけでなく、週全体の飲酒量を減らすことも重要です。
- 代わりの方法を見つける: ストレス解消やリラックスのためにお酒を飲んでいるなら、お茶やノンアルコールカクテルなど、別の方法を試してみましょう。
- 飲む頻度: 毎日飲むのではなく、週末だけなど、飲む頻度を減らす。
- 休肝日: 肝臓を休ませるために、週に2日以上はお酒を飲まない日を設ける。
比較的「マシ」なお酒の選び方
すべてのお酒にリスクがあるとはいえ、種類によってその程度は異なります。以下の点を考慮して、少しでも健康的な選択を心がけましょう。
- ライトビール: 一般的なビールよりもアルコール度数が低く、カロリーも控えめです。
- サングリア: 果物から摂取できる抗酸化物質や食物繊維が、アルコールの悪影響をいくらか軽減してくれる可能性があります。
- フレッシュフルーツを使ったマルガリータ: 市販の甘味料を避け、新鮮なフルーツを使うことで、糖分の摂取を抑えられます。
- 辛口ワイン: 甘口ワインに比べて糖分が少ないため、カロリーを抑えられます。
- ブラッディマリー: トマトジュースに含まれるリコピンなどの抗酸化物質が、健康をサポートしてくれる可能性があります。
- ワインスプリッツァー: 炭酸水で割ることで、アルコール度数を下げ、水分補給にもなります。
- ホットトディ: レモンや蜂蜜など、風邪の症状を和らげる効果が期待できる材料が含まれています。
- モヒート: ライムやミントなど、健康に良いとされる成分が含まれています。
避けるべきお酒
以下の種類のお酒は、糖分やカロリーが高く、健康への悪影響が大きいため、できるだけ避けるようにしましょう。
- 高糖質・高脂肪のカクテル: ピニャコラーダやダイキリなど、市販のシロップや甘味料を多用したカクテルは、カロリー過多になりやすいです。
- 複雑なミックスドリンク: 複数の種類のお酒を混ぜたカクテルは、アルコール度数が高くなりやすく、肝臓への負担も大きくなります。
- 甘いワイン: モスカートやホワイトジンファンデルなど、糖分を多く含む甘いワインは、血糖値の急上昇を招きやすいです。
バランスの取れたお酒との付き合い方
専門家は、「アルコールは安全なレベルは存在しない」と警鐘を鳴らしています。しかし、完全に断つことが難しい場合もあります。大切なのは、
- リスクを理解した上で飲む
- 飲む量や頻度を最小限に抑える
- 健康的な生活習慣を心がける
という3点です。お酒との上手な付き合い方を見つけ、健康的な毎日を送りましょう。